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MASHUP INTERVIEW「驚かせたい欲、止まりません。」爆発メルヘンCity・川村真純
MASHUP FESTIVAL kobe'26をつくる、7つのフェスのオーガナイザーたち。
それぞれが異なるカルチャーや価値観を持ちながら、この祭りにどんな想いを込め、どのような景色を描こうとしているのか。
この連載では、MASHUP FESTIVALをつくる"人"に焦点を当て、その素顔と哲学に迫ります。
第1回は、レーザーやネオンを駆使した空間演出で唯一無二の世界観を生み出す「爆発メルヘンCity 」を率いる川村真純さんに、人を驚かせ、喜ばせることを追い求める、その原動力を伺いました。
アクセサリー屋さんから、気づけば照明屋さんに
「爆発メルヘンCityエリアを担当します、川村真純です。イベント企画制作のお手伝いとか、あと映像・ピカピカ照明系の活動を行っております」
自己紹介はこの一言から始まったが、もともと彼女はアクセサリー作家だったという。
「今もやってるんですけど、当時はアクセサリーを作って販売して、ITAMI GREENJAMさんに出店させてもらってて。
ライブも好きで、自分たちでイベントやろうぜってなって。気づいたら、目の前で面白そうなことに携わってたら今に至る、っていう感じです」
彼女がスタッフとして初めて携わったイベントは、地元・淡路島発の「大人の自然学校」だった。
20代半ば、同級生と始めた集まりが、友達の友達を巻き込みながらいつしか40人規模に膨れ上がっていったという。
50メートル走に反復横跳び、赤白帽をかぶっての朝の集い——まるで本物の運動会のようなその会は、9年間続いた。
その後、初めて"不特定多数が来るイベント"に関わったのが、宝塚音楽回廊だった。豪雨で開催を中止にした年の記憶も、笑いながら振り返ってくれた。
「日々の7割は演出」
現在の活動の中心は、フェスの主催そのものではなく、あくまで"演出"だ。
「主催っていう方向に関してそこまで興味がないというわけでもないけど……なんかもう演出の方向に自然に流れていきました。」
ここ半年だけでも、現場は多岐にわたる。
7月には森道市場で出会ったアーティスト、Natsudaidaiのライブでレーザーとネオンを担当し、6月は鳥取の「青谷音楽祭」、そのほかにも、MOROHAのMCアフロである「あふちゃん」と、シンガーソングライターの「あいちゃん」(ヒグチアイ)による2人組の音楽ユニット天々高々(てんてんたかたか)のライブ演出、商業施設の企画、ミュージックビデオ撮影のお手伝いまで。
「なにかしら、毎週何かしてる感じはあるかもしれないですね、この3ヶ月ぐらい特に」
そんな彼女に、憧れて連絡してくる若者もいるという。
関西の大学で講師を務めた際は、こう切り出したそうだ。
「まず、私の生き方はお勧めしませんっていうとこからスタートします。笑 ……本来、ビジネスとして成り立たせるためにはもうちょっとお金のこととかあるはずなんですけど、結構その辺は、楽しそうだしやりたいことはやりたい、っていう感じで向き合っているので」
夢と生活はイコールではない——だからこそ別に仕事を持ちながら活動を続けている、と正直に語る。
それでも「もし飛び込んでくれるようなことがあったら、多分楽しいとは思います」と笑う姿には、95%の大変さの向こうにある1%の氷山の一角、その手触りが滲んでいた。
なぜMASHUPを続けるのか——「あの空間が忘れられない」という声
MASHUP FESTIVAL kobeも今年で2年目。
参加を続ける理由を尋ねると、彼女は昨年もらった言葉の数々を思い出しながら話し始めた。
「アーティストさんも、お客様も、友人知人も、知ってる人から知らない人まで、本当にたくさんコメントとか声をかけてもらって。……去年のマッシュアップのことが忘れられないから、ホームページからロゴを印刷して、ステッカー作って車に貼りましたっていう人もいて」
昨年、爆発メルヘンCityのエリアは、動線の要となる公園だった。
休憩しやすく、海と街並みが抜けて見える場所。雑貨屋が並び、その奥をトラクターステージが動く——その光景の記憶が、今年も続ける理由になったという。
「自己表現の場として、イベンター活動をしてるつもりは全くないんです。
でも、周りの人がそうやって言ってくれる場所を作れているのであれば、それは他の人にはできないことなのかもな、とも思う。あとは、やっぱり”変なこと”したいじゃないですか」
今年のエリアは、隣接する「ブジウギ音楽祭」チームと合同でつくりあげる予定だ。
「演出が得意な2つのチームで一緒にエリアを作ります。みんながステージまでたどり着いた時に、今まで見たことないこの人のライブがこんな素敵だったんだ、縦長のエリアでパレードがあったりして、気づいたらミュージックズーエリアまで促されてた、みたいな空間にしたい」
自分のエリアを"点"として完結させるのではなく、来場者を次のステージへと運ぶ"つなぎ役"でありたい——その姿勢は、対談中に語られたある挿話にもよく表れていた。奇妙礼太郎の武道館ライブに贈った花には、本人のロゴをネオンで再現し貼り付け、電源とセッティングまで自ら持ち込んで、終演後には回収して帰ってきたという。
「本来そこまでしなくていいかもですけど、なんかどうせやるならやりたいよね、みたいなのはあるかもしれないです」
驚かせたい欲。喜ばせたい欲。
それは、対面の打ち合わせで「しれっとお土産を渡してくる」という彼女の日常の癖にも表れているのだという。
超個人的 2026上半期真純アワードは「OMOCHI CLUB」
最後に、最近気になっているアーティストやクリエイターを尋ねた。答えは、彼女らしいエピソードとともに返ってきた。
「OMOCHI CLUBさんですかね」
「OMOCHI CLUB (おもちクラブ)」は、埼玉の人気カフェ「senkiya」のオーナーとスタッフたちによる活動で、森道市場での出店時にお餅つきや賑やかしを行っていることで知られる。
川村さんが挙げたのは、単なる話題性ではなく、その場に居合わせた体験によるものだった。
「東京方面に行った時、ここまで来たらsenkiyaさんに寄れる!と思って、到着30分前に『今から行きます』ってDMしたんです。
到着したら、"ヅカデン御一行様"という札を持って出迎えてくれて。ちょうどタイムレスのオーディションにみんなハマっている時期で、その踊りで迎えてくれたりして」
「こういうホスピタリティと、面白いサプライズ感を、私以上に考えている人なんですよ。
だから今回、SNSでバズっているという文脈だけじゃなく、その背景も含めて知ってもらいたいなと思ってノミネートしました」
演出家としての視点で選ばれた"推し"のエピソードに、対談相手も「さすが演出家魂」と唸っていた。
今年のMASHUP FESTIVAL kobeで爆発メルヘンCityが仕掛ける"サプライズ"にぜひ注目してほしい。
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